ロン・ミュエック展 美術館でこそ得られる感覚


 金沢21世紀美術館へ、ロン・ミュエック展を見に行きました。平日でしたが、夏休みということもあって家族連れの人たちが多く、親子でロン・ミュエック展の作品に近づけるだけ近づいて大きな顔についている睫毛やしわに見入っているようでした。リアリズムの追求だけを目的とされた作品でなく、人物のサイズをかなり大きくしたり逆に小さくしたりすることがかなり大きな要素としてありました。見る人を一度は人間の再現かと引き寄せては不思議な感覚を持ったままその空間に存在させられるのです。ポスターや画集を通してでは出会えない感覚。作品のある空間でないと得られない感覚です。

 そして、またレアンドロ・エルリッヒのプールの作品へ向かい、その空間にいる自分を記録してもらいました。ボーダーのTシャツがどう映るのか楽しみで、それを狙って着ていった事もあります。

 おきまりのミュージアムショップでの面白いもの探しの後、他の美術館の案内を見ていました。その中のMAXI GRAPHICA という展覧会のポスターがすっきりしたデザインできれいでした。マキシグラフィカ。20年くらい前にその展覧会が初めてあり、版画を技法としていたアーティストたちが作品のサイズを大きくすることによって、それまでの版画のイメージと違ったものがうまれました。それぞれアーティストが作品のサイズを大きくするだけでなくいろんな意味での”マキシ”と向き合っての作品が見られる展覧会ではないかと楽しみにしています。

ロン・ミュエック展は金沢21世紀美術館で8月31日まで。
MAXI GRAPHICAは、京都市美術館で9月17日から28日まで。