伏見の豊澤本店、麹も美味


 製薬会社の方のご紹介で「豊祝」の伏見、豊澤本店へお伺いすることになりました。待ち合わせの伏見銘酒共同組合へは早く着いたので、お食事を済ませておくことにしました。たまたまその隣にあった”鳥せい”で、鳥ごはんという定食を食べました。

このお店では、メニューも豊富で、伏見のお酒も色々いただけるので、次に機会にゆっくり楽しみたいなと思いながらのランチタイムでした。こちらのお店の駐車場には、美味しい水を持って帰れるようなところもあって、ペットボトルをたくさんかかえて次から次へと人が並んでいました。美味しお酒は、まずこの美味しい水の存在が大きいと思われました。

 京都生まれ、京都育ちの私ですが、京都 伏見の酒蔵を訪ねるのは初めてのことでした。豊澤本店という蔵があり、そこで色々見学させていただけるのだとかってに思いこんでいたのですが、5件の蔵がまとまった伏見銘酒共同組合という大きな工場のようなところでした。その大きな場所で、それぞれの蔵のお酒が作られているのでした。
チョコットというネットショップを始めて何蔵かおじゃましたので、ちょっとしたポイントも心得ていました。「寒いところ」「納豆菌など、他の菌を持って行ってはいけない」など、待ち合わせてた製薬会社の女性に伝えておいたので、彼女はホカロンを身につけて来られてました。蒸しのブース以外はやはり冷え込み、蔵人さんたちは毎日のこと、やはり大変だと感じます。
 豊澤義也社長のご案内は、お米を洗うところから始まります。お米の種類やを精米歩合によって浸水の時間を変えなくてはいけなく、そのタイミングは水につけているお米を見たらわかるとのことでした。蔵人さんのするどい感覚や経験で決まります。私自身、お米について感じることがあり、「お米を買う時、美味しそうなご飯になりそうだと思うお米がるような気がします。」と蔵人さんにお話したところ、「白い部分が多いお米はおいしくないですよ。」と教えていただきました。艶を感じるお米を選んでいたので、間違ってなかった!と嬉しくなりました。そして、ワインなら「今年の葡萄の出来がよくなくて..」と言っても許してしまう人たちも、日本酒に対しては、お米のできばえを気にもめないので、毎年毎年が真剣勝負となります。
 その後、出来たての麹も味見させていただいたき、ふわっとお酒のようなかおりがした少し甘いお米が美味しくて、もっと食べたいなと思ってしまいました。私が蔵人なら、きっとつまみ食いばかりして肝心なお酒が作れなくなるでしょう。
 タンクの中でお酒になっていくブクブクとした泡は、まさに”生きる力”でした。その生き物を美味しいお酒に育てるためには、立派な機械や管理システムはあくまでも補助的な事で、人の感覚、人の手によって丁寧にそしてその積み重ねを大切にすることが、何よりだと教えていただきました。

帰宅して、豊澤さんからいただいた純米大吟醸「蔵纏(くらまとい)」を、初物のホタルイカと菜の花の芥子酢味噌和えでいただき、幸せな一時を過ごしました。