フェルメール展でみられる食を楽しむ生活

 
 東京、国立新美術館へ行きました。フェルメール「牛乳を注ぐ女」オランダ風俗展を見ました。今回の展覧会の中心となるのはもちろんフェルメールの「牛乳を注ぐ女」です。その作品は一部屋の、ブルーの壁にしたところに柔らかいスポットライトで照らされて展示されてました。絵の前までたどり着くにはかなりの時間を要したくらいの人々の列。光の粒を描く事でパンの立体間を表現してあったりー牛乳の壺を添える手を柔らかく丁寧に描かれているところ、注がれるために壺から出てくる牛乳の白が画面に緊張感を作っいていました。日本初公開のフェルメールの作品、後ろからまだまだ人が待っていて見る時間も限られていましたので長居はできませんでした。
 フェルメール以外の作家で面白い作品と出会えました。17世紀、スペインから独立したオランダは生活に活気づき食生活や音楽を楽しむ市民が増えました。画家はそんな情景をモチーフとするのですが、私にとって興味あるシーンがいっぱいありました。ディルククーディク1731年作、鰊を手にした老女という作品。メゾティントという版画の技法の作品で、色はつかわれてなく黒インクの調子だけで表現されています。作品の下に書き記されてる言葉は、ワインとビールがあれば言うことなし。鰊の塩漬けか油漬けを手にして絵の中にある玉葱と一緒に食べていたようです。

 また別の作品の絵には、ヤン.ステーンという作家の絵で、酒場でお酒を飲みよっぱらってる人々の足元にころがっている貝の殻。ムール貝でも茹でてワインを飲みながら楽しい一時を過ごしたんでしょう。飲んだり食べたり食材を買ったり、食事の用意をしたり私の興味あるモチーフがいっぱいで見終わったらお腹が空いてました。美術館のレストランはポールボキューズがあり、1500円でランチを食べられるのでオープン当初は電車三両分くらいの人がならんでいたそうです。今回はデパート屋上の電車分くらいの人が待たされているくらいでした。メニューがフェルメールの作品をイメージされたもので興味はあったのですが、銀座で約束もあったのでボキューズさんはスキップしました。時を経ても食を楽しむことは生活を楽しむ事でもあり、そういう事が出来るって幸せです。