ソース味を懐かしんでのたこ焼き

 海外から帰り、懐かしくなる味は人それぞれかと思います。私はだいたいは滞在先の食べ物に馴染むタイプなので、ことさら日本食を恋しくなることはありません。タイへ行けばナンプラー、フランスへ行けばクロワッサンのバターの香り、スペインへ行けばオリーブオイルと...行く先々での味付けを楽しみます。日本独自の味付けといったら醤油味はもちろんですが、ソース味も、はやはり日本の味だと思います。
 以前、ジェフという陶芸家が京都ツアーを企画し、アメリカから京都へ何人か引率してやって来ました。色々なメニューの中の一つに、私の実家での染め物体験と、居酒屋でのお食事という日がありました。相談されたので、予約しておいたお店が、「串八」という串カツや焼き鳥を食べられるところでした。私ももちろん参加し、居酒屋内のナビを喜んでしました。色んなメニューを説明し、オーダーしました。たのんだ焼き鳥が出てきたので、ちゃんと食べ方を説明したのですが、アメリカの人たちは、そのお店のテーブルにあった串カツ用のソースが気に入ってしまい、みんな焼き鳥にどろっとしたソースをつけて食べてました。
 「美味しい美味しい」と大流行りのトンカツソース。きっと後をひく味なのでしょうね。私たちにとっては、当たり前の調味料のソースがとても偉い存在となっていました。そう言いながらも今回は、ソース味のものが食べたくなっていました。

 後を引く味、懐かしい味なのか理由はわからないのですが、ソース味を欲して、たこ焼きが無性に食べたくなっていました。私はたこ焼きのソースにお醤油も入れて食べるのが好きなのですが、配合的にはソースがメイン。たこ焼きに、ソースをしっかりたっぷりつけて、たくさん食べました。ビールももちろんたくさん飲んでしまいました。