お猪口 -外も中も飲みながらの楽しみ-

 お猪口好きです。chocotteというネットショップの名前もお猪口とcocotte(フランス語で鍋→お料理)とくっつけて命名させてもらいました。我ながら飲みながら...食べながら...というライフスタイルにぴったりな名前だと思っています。「チョコッと」という音的なことでも、生活にちょこっとした楽しみを!という気持ちもこめています。楽しんでいただけるようなお猪口をみつけてこれからもどんどん種類を増やして行くつもりです。
 まだ梅雨も開けない時に陶芸家、山田晶さんの個展へ行きました。赤色に黒という色が主流であった今回の山田氏の個展。その中で、淡い緑がかったお猪口が目に入ってきてじっくり手にとって見ました。陶器は手で触って確認できるところがいいところで、またそういうことが出来てまた器として生活の一部にすぐになるというところも、工芸の中のジャンルとしても人気が高い理由であると思います。陶器をコレクションするというのは、いろんな使い方を試せたりシチュエーションで見え方が変わったりするところも、また使うという事で良さも増してくるのが楽しめる、私自身もそんな事を楽しんでいます。
 私は、陶器を展覧会や陶器市や縁日で買うことが好きで、色々と集めてきています。そして、その陶器は、日常の器として食卓を引き立ててくれています。私の料理でも器で見違えるのから不思議。また美味しく感じるから不思議。
山田晶さんのお猪口で、一番気に入っているのは実は内側の底の部分の「のぞき」です。その部分には色がたまったところがあり、そこにも惹かれました。数個並べてある中でその部分の色で気に入ったものを選びました。普通は形や外側の色から選ぶのかもしれませんが、お猪口の中ばかりのぞいていました。

 その中で一番気にいったお猪口を買い、帰って早々に日本酒をいただいてみました。純米吟醸、浪の音酒造の’ええとこどり’を冷やして少し。薄すぎず暑すぎない口当たり。お酒をさらに柔らかく口元へ運んでくれます。飲み干す時にのぞきの色がしっかり見えてきます。
 料理もお酒も、器で味も変わるし、その色でも変わると思っています。同じお酒を質感の違うものや色の違う器で試してみたくなりました。夏休みの宿題みたく、グラフを作ってみようかなあ。